末期心不全における主要な症状は,呼吸困難,全身倦怠感,疼痛,食欲不振,抑うつなどである.過去の報告によると,終末期心不全の60~88%に
呼吸困難,69~82%に全身倦怠感,35~78%に疼痛が認められる895-897).また,抑うつ,不安,不眠などメンタルヘルスの失調をきたすことも多く,
入院を要する終末期心不全患者では,抑うつ症状を70%に認めるといわれている898).体液貯留や低心拍出に伴う心不全そのものがこれらの症状の原
因となりうるため,ステージDにおける心不全治療を継続しつつ,以下のように症状の緩和を図る.
4.末期心不全における症状と対処法
4.1呼吸困難 4.2疼痛 4.3全身倦怠感 4.4抑うつ・不安 4.5せん妄 4.6終末期の苦痛 4.7医療機器の停止
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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