強心作用を有する薬剤は,血圧低下,末梢循環不全,循環血液量の補正に抵抗する患者にも適応される.強心薬は短期的には血行動態や臨床所見
の改善に有効であり,一般的に左室拡大とLVEFが低下した患者に対して用いられることが多いが,心筋酸素需要を増大し,心筋カルシウム負荷を誘導
するので,不整脈,心筋虚血,心筋傷害をきたし,生命予後を不良にすることがある.必要最少量および最短期間での使用にとどめるのが望ましい.
4.4 強心薬・昇圧薬
4.4.1 カテコラミン強心薬 4.4.2 ジギタリス 4.4.3 PDEIII阻害薬 4.4.4 アデニル酸シクラーゼ賦活薬(コルホルシンダロパート) 4.4.5 カルシウム感受性増強薬(ピモベンダン)
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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