ジゴキシンの急性効果として,血行動態の改善に有用である480).長期予後に関しても,生命予後改善効果は見込めないものの再入院率は減少する
207).急性心不全では心房細動など頻脈誘発性心不全に対して適応とされる.急性心筋梗塞や心筋炎による急性心不全への投与は推奨できない.

 心房細動などにおける心拍数コントロールを目的に,0.125~0.25 mgを緩徐に静注し,中毒に注意しながら適宜使用する方法が一般的である.

 ジギタリス投与の禁忌例として,徐脈,第2~3度房室ブロック,洞不全症候群,WPW症候群,閉塞性肥大型心筋症,低カリウム血症,高カルシウム血
症があげられる.
4.4.2 ジギタリス
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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