末期心不全における主要な症状は,呼吸困難,全身倦怠感,疼痛,食欲不振,抑うつなどである.過去の報告によると,終末期心不全の60~88%に呼
吸困難,69~82%に全身倦怠感,35~78%に疼痛が認められる556-558).また,入院を要する終末期心不全患者では,抑うつ症状を70%に認めるといわ
れている559).体液貯留や低心拍出に伴う心不全そのものがこれらの症状の原因となりうるため,ステージDにおける心不全治療を継続しつつ,以下のよう
に症状の緩和を図る.
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)