推奨
クラス
エビデンス
レベル
Minds
推奨
グレード
Minds
エビデンス
分類
CKD ステージ3 (eGFR 30~59 mL/分/1.73m2)
β遮断薬I A A I
ACE阻害薬I A A I
ARB I B A II
MRA I A A I
ループ利尿薬I C C1 VI
CKD ステージ4~5( eGFR<30 mL/分/1.73m2)
β遮断薬Ⅱa B B II
ACE阻害薬Ⅱb B C1 III
ARB Ⅱb C C1 IVb
MRA Ⅱb C C2 V
ループ利尿薬
これまで急性心不全・慢性心不全を対象にした多くの大規模臨床試験が実施されているが,その多くで腎機能低下症例が除外されている.一般的
に,CKDステージ3 の症例ではCKDを合併しない症例とほぼ同様に考えればよく,CKDステージ4~5では極端にエビデンスが少なく,個々の症例に適
合した治療選択は専門医の知見や主治医の裁量に委ねられている.
また,急性期には,うっ血を回避するための利尿薬,造影剤を使用する手技を実施せざるを得ないときもあり,CKDで層別化したランダム化比較試験を
実施すること自体が困難であり,たとえ実施されてもそこにはすでに現実とはかけ離れたサンプリングバイアスが存在していることも事実である.
わが国では,HFrEFとHFpEFとを分類せずに心不全の適応が承認されるが,これは欧米と異なるところである.HFpEFではいまだ生命予後を改善す
るエビデンスを有する薬剤は使用されておらず,HFpEFに併存する疾病の治療が行われているのが現状である.したがって,CKDを合併するHFpEF症
例では,CKDを合併する際の併存症の治療方針を遵守していただきたい.
表41 CKD 合併心不全に対する薬物治療の推奨とエビデンスレベル
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)