左室収縮不全は,しばしば房室伝導障害や心室内伝導障害を合併する.伝導障害は左室拡大(左室リモデリング)をきたし,僧帽弁閉鎖不全を助長
し,生命予後を悪化させる369).心室内伝導障害は通常QRS幅の延長として認識されるが,慢性心不全例の約1/3が120ミリ秒以上のQRS波を示し,そ
の多くは左脚ブロックである280, 370).
NYHA心機能分類III/IV度とII度では,推奨される対象患者(洞調律の
場合)に以下のような相違点がある.
1) LVEFのカットオフ値:NYHA心機能分類III/IV度ではLVEF≦35%
に対し,II度ではLVEF≦30%
2) QRS幅120~149ミリ秒の場合:NYHA心機能分類III/IV度では左
脚ブロックはクラスI,非左脚ブロックはクラスIIbに対し,II度では
左脚ブロック,非左脚ブロックにかかわらずクラスIIb
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)