推奨
クラス
エビデンス
レベル
Minds
推奨
グレード
Minds
エビデンス
分類
高度な器質的僧帽弁あるい
は大動脈弁疾患が基礎疾患
である心不全の場合の弁置
換/弁形成術(手術リスクが
極度に高い場合を除く)
I B B III
二次性(機能性)僧帽弁閉鎖
不全を有する心不全患者で
の,標準的心不全治療(薬
物療法,CRTなど)を十分
に行うことによる僧帽弁逆
流の低減
I C C1 IVb
症状を伴うLVEFが低下した
low-flow,low-gradient の
大動脈弁狭窄(大動脈弁口
面積<1.0 cm2,大動脈弁
の平均圧較差<40 mmHg)
における大動脈弁置換術の
適応を判断するためのドブ
タミンないし運動負荷エ
コー
Ⅱa C C1 IVb
高度大動脈弁狭窄に基づく
心不全であるが手術リスク
が高いとハートチームで結
論付けられ,余命が1年以
上期待できる患者に対する
TAVI
 弁膜症を合併する心不全患者は高リスク群であり,その治療方針の決定には多面的な検討が必要である.心不全の主たる基礎疾患が弁膜症そのも
のである場合は,弁膜症に対する治療方針に沿った治療を行う.多くの場合は弁置換術/形成術など非薬物治療の適応となる(弁膜疾患の非薬物治
療に関するガイドライン[2012年改訂版]556)を参照).ここで留意すべきことは,弁置換術/形成術後も適切な心不全薬物療法を行う必要があるという
点である.術後もLVEFが低下している場合はLVEFが低下した心不全(HFrEF)の治療方針に沿った薬物治療を行うべきである.

 一方,拡張型心筋症など他の基礎心疾患が心不全に至る過程で二次的に発症した弁膜症に対する治療方針は異なる.この場合は基礎心疾患に対す
る基本的治療を行うことが基本であり,これに加えて弁膜症に対する介入をどのように考えるのかを以下に簡単に記載する
5.弁膜症
(表37)
表37 心不全を伴う弁膜症の治療に対する推奨とエビデンスレベル
5.1僧帽弁閉鎖不全 5.2三尖弁閉鎖不全 5.3大動脈弁狭窄
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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