a. 右室収縮期圧(肺動脈収縮期圧)
三尖弁逆流血流速度より求められる収縮期右室・右房圧較差に右房圧を加えることにより,右室収縮期圧(肺動脈収縮期圧)を推定できる.ただし,
三尖弁が離解し,逆流速波形が層流となった場合には推定は困難である.また,著明に右心機能が低下した症例では,低心拍出状態のため肺動脈収
縮期圧が中等度の上昇,あるいは正常の場合もあることに留意する.
b. 右房圧
右房から1~2 cmの部位で計測した下大静脈径,またその呼吸変化の有無により右房圧を推定できる.
c. 心拍出量
一回拍出量は,流出路断面積と駆出血流速波形の時間速度積分値(velocity-time integral; VTI)の積より得られる.
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)