メタボリックシンドロームは虚血性心疾患の危険因子であり,心不全のリスクでもある.メタボリックシンドローム関連アディポサイトカインの1つであるア
ディポネクチン濃度は,心不全で上昇し,予後と関連すると報告されている86- 88).
エンドセリン(endothelin; ET)は強力な血管平滑筋収縮を引き起こす89).血漿ET-1,big-ET-1濃度はLVEFとは逆相関し,死亡率の規定因子の1つで
ある90, 91).
アドレノメデュリンは,心不全の重症度が増すにつれて血中濃度が増加し,心不全の予後不良と関係する92).心臓のみならず全身の血管床から産生さ
れ,細胞保護的に働いている.
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)