トルバプタンは,アルギニンバソプレシン(arginine vasopressin; AVP)タイプ2受容体を阻害する経口薬である.わが国では,他の利尿薬に対し抵抗性
の認められる心不全症例において使用が認められている.低ナトリウム血症を抑制するAVP拮抗薬は難治性心不全,とくに低ナトリウム性心不全患者が
よい対象と考えられている.利尿薬抵抗性のため強いうっ血症状を呈する心不全患者の体液管理には有効と考えられるが,必要最小限の投与にとどめる
べきである.副作用として,口渇感とそれに伴う高ナトリウム血症に注意する.
4.2.2 バソプレシンV
2受容体拮抗薬(AVP 拮抗薬)
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)