1997年にDIG試験の結果が発表され,ジゴキシンは洞調律心不全患者の心不全増悪による入院を減らすが予後は改善しないことが明らかとなったが
207),不整脈に関連した死亡をむしろ増加させる傾向にあった.一方,心房細動を伴う心不全患者においては,心拍数をコントロールし,十分な左室充満時
間を得るためにジギタリスが用いられる.これは臨床症状の改善を目的とするものであって,心房細動を伴う左室収縮機能不全患者においてジギタリスが
予後を改善するかどうかに関するエビデンスはない.
1.1.8 ジギタリス
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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