収縮不全を対象とした2つの大規模臨床試験およびわが国の臨床試験により,スピロノラクトンおよびエプレレノンの有用性が確認された163, 164, 189, 190).
したがって,LVEF35%未満の有症状例には,禁忌がないかぎり全例にMRAの投与が推奨される.しかし,ACE阻害薬あるいはARBとスピロノラクトンの
積極的併用により血清カリウムの上昇に伴う死亡,入院などが増加するとの報告がある191).これら3剤の併用は避けるべきである.推算糸球体濾過値
(estimated glomerular filtration rate; eGFR)<30 mL/ 分あるいは血清カリウム値5.0 mEq/L以上の場合は,投与開始にあたっては慎重でなければな
らない.
1.1.3 ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)