心血管病を有する高血圧患者は高リスク群に分類され,生活習慣の修正(塩分制限を含めた食生活の改善,運動,肥満者に対する減量,アルコール摂
取量の適正化など)と同時に,ただちに降圧薬治療を開始することが推奨されている154).しかし,心不全はその病因や病態が多岐にわたるため,高血圧
を合併する心不全患者の降圧目標値に関する明確なエビデンスは存在しない.降圧目標値をめぐっては従来議論が多く373, 374),一概に降圧目標値を設
定することは困難であるが,米国では収縮期血圧110~130 mmHgでの管理が支持されていることから375),わが国においても同様の数値を降圧目標値と
する.
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)