急性心不全加療中に心房細動を発症し,血行動態に悪
影響を与えている可能性が高い場合には,すみやかに電気
的除細動を施行する.適切な抗凝固療法が行われておら
ず,心房細動の持続時間が不明の場合には,経食道超音
波検査により左心房内血栓がないことを確認して除細動を行う必要がある316- 318).心不全に
伴う自覚症状があり,す
みやかな心拍数調節を行う場合には,ジギタリスの静脈投
与が用いられる319).心機能低下症例に合併した頻脈性心
房細動・心房粗動に対するランジオロールの有用性が報告
され,保険適用となっている320).非代償性心不全例への
非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(ベラパミル・ジル
チアゼム)の使用は,陰性変力作用による心不全悪化の危
険性があり禁忌である16)
1.2.1 急性心不全に合併した頻脈性心房細動に対する治療
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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