心不全では血流のうっ滞によって心臓内血栓をきたしやすい.心房細動を伴う場合は,抗凝固薬が必要である.RELY,ARISOTLE,ROCKET-AF,
ENGAGE AF-TIMIなど過去に行われた心房細動患者を対象とする新規抗凝固薬とワルファリンの比較試験のメタ解析では,心不全例においても非心
不全例と同様に塞栓症や出血性合併症は新規抗凝固薬のほうが少ないと報告されている304).洞調律の場合,抗凝固薬が有効とのエビデンスはない
305, 306).ただし,心臓内血栓による塞栓症予防にはワルファリンを使用すべきである.
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)