スタチンが心不全例に有効との観察研究がいくつか報告されている.その機序として,抗炎症作用,酸化ストレス抑制作用,血管内皮機能改善効
果などが推定されてきた.しかし,大規模臨床試験でその効果は明らかではなかった301, 302).わが国では,ピタバスタチンを用いた臨床研究がある
が,一次エンドポイントに差はなかった.ただし,LVEF≧30%の症例ではピタバスタチンの有用性が観察された303).現時点では,スタチン薬のエビデ
ンスは乏しく,HFrEFによる心不全治療薬としては推奨できない.
1.1.12 スタチン
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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