収縮不全を対象とした2つの大規模臨床試験およびわが国の臨床試験により,スピロノラクトンおよびエプレレノンの有用性が確認された208, 209, 247,
247a).したがって,LVEF35%未満の有症状例には,禁忌がないかぎり全例にMRAの投与が推奨される.しかし,ACE阻害薬あるいはARBとスピロノラ
クトンの積極的併用により血清カリウムの上昇に伴う死亡,入院などが増加するとの報告がある248).これら3剤の併用は避けるべきである.推算糸球体
濾過値(estimated glomerular filtration rate; eGFR)<30 mL/ 分あるいは血清カリウム値5.0 mEq/L以上の場合には,投与開始にあたっては慎重で
なければならない.投与を開始するときは,初期用量を12.5 mg/日(エプレレノンの場合は25 mg/日)とすること,カリウム製剤や非ステロイド系抗炎症
薬との併用を避けることなどがあげられる.開始後3日目,1週後,以後3ヵ月後までは毎月血清カリウム値とクレアチニン値を測定することが望ましい.
非ステロイド系MRAのfinerenoneはミネラルコルチコイド受容体への親和性に優れ,高カリウム血症や腎機能障害などの副作用が少ないことが期待さ
れている249).
1.1.3 ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)