慢性心不全に対する運動療法の臨床的効果は以前から認識されていたが,その生理学的機序,ならびに安全性やQOL,生命予後,および医療経済
的効果について明らかになったのは比較的最近である.運動療法を含む包括的心臓リハビリテーションは,慢性心不全の治療や予防ばかりでなく疾病
管理プログラムとして今後重要性が増すと考えられる(表32).以下に述べるエビデンスは欧米での報告が多くを占めており,今後はわが国のエビデン
ス構築が望まれる.
表32 心不全における運動療法の推奨とエビデンスレベル
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)