心不全を有する妊婦は,その程度が強いほど死亡率が高く,児については,早期産および子宮内胎児発育不全が多く,死亡率が高いことが知られてい
る860).したがって,NYHA心機能分類III度以上の女性に対しては妊娠しないようにすすめ,たとえ妊娠しても早期に中絶を行うことが推奨されている.
また,心不全治療薬の多くは,妊娠中の投与は禁忌である.詳細は,心疾患患者の妊娠・出産の適応,管理に関するガイドライン(2010年改訂版),
III. 基礎心疾患別の病態 8. 心不全(共通の病態として)およびV.母体の治療と注意点 2. 抗心不全治療860)を参考にされたい.
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)