5.1.3 右室機能評価
 右室機能は心不全例の予後を決める重要な因子である.右室は解剖学的に複雑な形態をしているために断層心エコー図で右室容量を測定するこ
とは困難であるが,三次元心エコー法を用いることにより右室容量および駆出率を計測することが可能である.断層心エコー図では,心尖部四腔断面
像により右房,右室拡大を評価する.また,心尖四腔像における右室面積変化率(fractional area change;FAC)や,三尖弁輪部移動距離(tricuspid
annular plane systolic excursion; TAPSE),三尖弁輪部運動速波形の収縮期s′波は,比較的簡便な右室機能の指標である.
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急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)