OSAについては,その危険因子あるいは増悪因子である肥満の治療,禁煙,節酒,適切な運動などの生活習慣の修正は心不全自体にも有用である
ため,まず積極的に行うべきである.心不全自体の治療のなかで利尿薬がOSAを軽減するとの報告があるが674),これは体液の適正化により上気道周
囲粘膜における浮腫が改善したことに加え,夜間の体液シフトの軽減も寄与したと考えられる.一方,CSRCSAは心不全の結果もたらされる病態であ
ることから心不全自体の治療の適正化がもっとも重要である.とくにLVEFの低下した心不全に対するβ遮断薬675),心臓再同期療法676)はCSR-CSAを
軽減することが報告されている.OSAと同様に利尿薬による体液の適正化は,肺うっ血の軽減によりCSR-CSAを軽減せしめると考えられる.
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)