このようにSDBは心不全の病態に深く関わっており,心不全を悪化させ,さらには予後を不良にするが,心不全患者では日中の過度の眠気などの
SDBの症状が顕著に現れないことが多い673).したがって慢性心不全患者においては,常にSDBの存在を念頭に置く必要があり,とくに内科的治療の
最適化を行っても心不全症状の改善が得られない症例では,昼間の眠気などのSDBの症状の有無にかかわらず病態把握の観点からスクリーニングを
行うことがすすめられる.SDBのスクリーニングおよび確定診断については循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン664)を参
照されたい.
12.2.1 心不全に合併するSDB のスクリーニング
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)