薬剤用法・用量
モルヒネ5~10 mg/Aを希釈して2~5 mgを
3分かけて静注
フロセミド
10~120 mgを1回静注もしくは
1~2 mg/時で開始し,1~5 mg/時で
持続投与
カンレノ酸カリウム
1回100~200 mg を10~20 mL に
溶解して緩徐に静注. 漫然と長期にわ
たって投与せず,1日投与量として
600 mgを越えないようにする
ジゴキシン0.125~0.25 mgを緩徐に静注
ドパミン
0.5~ 5 μg/kg/ 分で開始,0.5~20
μg/kg/分で持続投与.中止時は漸減し,
最少量・最短期間を心がける
ドブタミン
0.5~ 5 μg/kg/ 分で開始,0.5~20
μg/kg/分で持続投与.中止時は漸減し,
最少量・最短期間を心がける
ノルアドレナリン0.03~0.3 μg/kg/分で開始し,持続
投与
ミルリノン0.05~0.25 μg/kg/分で開始し,0.05
~0.75 μg/kg/分で持続投与
オルプリノン0.05~0.2 μg/kg/分で開始し,0.05
~0.5 μg/kg/分で持続投与
コルホルシンダロパート0.1~0.25 μg/kg/分で開始し,持続
投与
ニトログリセリン0.5~10 μg/kg/分で開始し,持続投与
硝酸イソソルビド1~8 mg/時で開始し,持続投与
ニコランジル0.05~0.2 mg/kg/時で開始し,持続
投与
ニトロプルシド0.5~ 3 μg/kg/分で開始し,持続投与
カルペリチド0.0125~0.05 μg/kg/分で開始し,0.2
μg/kg/分までの用量で持続投与
ランジオロール
1 μg/kg/分で開始し,心拍数,血圧
により漸増・漸減し1~ 10 μg/kg/分
で持続投与
推奨
クラス
エビデンス
レベル
Minds
推奨
グレード
Minds
エビデンス
分類
強心薬・昇圧薬
ドブタミン
ポンプ失調を有する肺うっ血
患者への投与Ⅱa C B II
ドパミン
尿量増加や腎保護効果を期待
しての投与Ⅱb A C2 II
ノルアドレナリン
肺うっ血と同時に低血圧を呈
する患者へのカテコラミン製
剤との併用投与
Ⅱa B B III
PDEIII阻害薬
非虚血性のポンプ失調と肺
うっ血に対する投与Ⅱa A B II
虚血性のポンプ失調と肺うっ
血に対する投与Ⅱb A B II
心拍出量の高度低下に対して
のドブタミンとの併用投与Ⅱb C C1 IVb
心拍数調節薬
ジギタリス
頻脈誘発性心不全における心
房細動の心拍数コントロール
目的での投与
I A B II
ランジオロール
頻脈誘発性心不全における心
房細動の心拍数コントロール
目的での投与
推奨
クラス
エビデンス
レベル
Minds
推奨
グレード
Minds
エビデンス
分類
利尿薬
ループ利尿薬
急性心不全における体液貯留
に対する静注および経口投与I C B II
1回静注に抵抗性のある場合
の持続静脈内投与Ⅱa B B IVb
バソプレシンV2受容体拮抗薬(トルバプタン)
ループ利尿薬をはじめとする
他の利尿薬で効果不十分な場
合の体液貯留に対しての投与
(高ナトリウム血症を除く)
Ⅱa A B II
低ナトリウム血症を伴う体液
貯留に対しての投与Ⅱa C C1 II
MRA
ループ利尿薬による利尿効果
減弱の場合の併用投与Ⅱb C C1 III
腎機能が保たれた低カリウム
血症合併例に対する投与Ⅱa B B II
腎機能障害,高カリウム血症
合併例に対する投与Ⅲ C D VI
サイアザイド系利尿薬
フロセミドによる利尿効果減
弱の場合の併用投与Ⅱb C C1 III
血管拡張薬
硝酸薬
急性心不全や慢性心不全の
急性増悪時の肺うっ血に対す
る投与
I B A II
ニコランジル
急性心不全や慢性心不全の
急性増悪時の肺うっ血に対す
る投与
Ⅱb C C1 II
カルペリチド
非代償性心不全患者での
肺うっ血に対する投与Ⅱa B B II
難治性心不全患者での強心薬
との併用投与Ⅱa B C1 II
重篤な低血圧,心原性ショッ
ク,急性右室梗塞,脱水症患
者に対する投与
Ⅲ C C2 VI
カルシウム拮抗薬
高血圧緊急症に対するニフェ
ジピンの舌下投与
わが国で使用されている急性期の治療薬の適応と,用法・用量を示した(表58,表59)
4.薬物治療
表58 急性心不全に使用する薬剤の推奨とエビデンスレベル
表59 急性心不全の急性期に静脈投与する薬剤の用法・用量
4.1鎮静 4.2利尿薬 4.3血管拡張薬 4.4強心薬・昇圧薬 4.5心筋保護薬
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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