急性冠症候群
・頻脈性不整脈(心房細動,心房粗動,心室頻拍など)
・徐脈性不整脈(完全房室ブロック,洞不全症候群など)
・感染症(肺炎,感染症心内膜炎,敗血症など)
・アドヒアランス不良(塩分制限,水分制限,服薬遵守などがで
きない)
・急性肺血栓塞栓症
・慢性閉塞性肺疾患の急性増悪
・薬剤(NSAIDs,陰性変力作用のある薬剤,癌化学療法など)
・過度のストレス・過労
・血圧の過剰な上昇
・ホルモン,代謝異常(甲状腺機能亢進・低下,副腎機能低下,
周産期心筋症など)
・機械的合併症(心破裂,急性僧帽弁閉鎖不全症,胸部外傷,
急性大動脈解離など)
CS 2 に相当する病態である.末梢浮腫を主体とする全身的な体液過剰の状態で,利尿薬を中心に加療を行う.うっ血症状は徐々に進行している慢
性心不全の悪化による例が代表的である.心不全の増悪因子(1. 定義・分類・疫学 表50[p. 76])を参考に,それらに対する治療介入をすると効果
的である.腎機能障害,貧血,低アルブミン血症を伴うこともあり,利尿に難渋する例もあるために,適宜,利尿薬あるいはカルペリチドを併用して対応す
る.うっ血の重症度をしっかりと把握し,改善を図る.
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)