グレードA 強い科学的根拠があり,行うよう強く勧められる.
グレードB 科学的根拠があり,行うよう勧められる.
グレードC1 科学的根拠はないが,行うよう勧められる.
グレードC2 科学的根拠はなく,行わないよう勧められる.
グレードD
無効性あるいは害を示す科学的根拠があり,行わ
ないよう勧められる.
レベルA
複数の無作為介入臨床試験,またはメタ解析で実証さ
れたもの.
レベルB
単一の無作為介入臨床試験,または大規模な無作為介
入でない臨床試験で実証されたもの.
レベルC
専門家,および/ または小規模臨床試験(後向き試験
および登録を含む)で意見が一致したもの.
クラスI
手技・治療が有効・有用であるというエビデンスがあ
るか,あるいは見解が広く一致している.
クラスII
手技・治療の有効性・有用性に関するエビデンスある
いは見解が一致していない.
クラスIIa エビデンス・見解から有用・有効である可能性が高い.
クラスIIb
エビデンス・見解から有用性・有効性がそれほど確立
されていない.
クラスIII
手技・治療が有効,有用でなく,ときに有害であると
のエビデンスがあるか,あるいは見解が広く一致して
いる.
 推奨クラスとエビデンスレベルの記載は,従来の心不全ガイドラインを踏襲し,ACC/AHAやESCのガイドラインと同様に記載した(表2,3).わが国の
循環器領域では,従来の推奨クラス分類とエビデンスレベルが広く普及しており,海外のガイドラインとの整合性も取りやすい.一方で,日本医療機能
評価機構が運営する医療情報サービス事業Minds(マインズ)では,『Minds診療ガイドライン作成の手引き2007』において推奨グレードとエビデンスレ
ベルとして異なる記載を行っている(表4,5)15).そこで,本ガイドラインでは,特定の診断や治療内容について,可能なかぎり両者を併記し,表として
わかりやすく表示した(推奨クラス・エビデンスレベルとMinds推奨グレード・Mindsエビデンス分類).
1.推奨・エビデンスレベル
表2 推奨クラス分類
表3 エビデンスレベル
表4 Minds 推奨グレード
推奨グレードは,エビデンスのレベル・数と結論のばらつき,
臨床的有効性の大きさ,臨床上の適用性,害やコストに関する
エビデンスなどから総合的に判断される.
(Minds 診療ガイドライン選定部会.2007 15)より)
表5 Minds エビデンス分類
       (治療に関する論文のエビデンスレベルの分類)
I
システマティック・レビュー/ ランダム化比較試験
のメタアナリシス
II 1 つ以上のランダム化比較試験
III 非ランダム化比較試験
IVa 分析疫学的研究(コホート研究)
IVb 分析疫学的研究(症例対照研究,横断研究)
V 記述研究(症例報告やケースシリーズ)
VI 患者データに基づかない,専門委員会や専門家個
人の意見
(Minds 診療ガイドライン選定部会.2007 15)より)
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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