選択基準
病態
心臓移植適応基準に準じた末期重症心不
全であり,原則NYHA心機能分類IV度,
ガイドラインで推奨された標準治療を十
分施行しているにもかかわらず進行性の
症状を認めるステージD心不全
年齢65歳未満
体表面積デバイスごとに規定
重症度
静注強心薬依存状態(INTERMACS
profile 2 または3),IABPまたは体外設
置型LVAD依存状態,modifier A(とくに
INTERMACS profile 4の場合)
社会的適応
本人と介護者が長期在宅療養という治療
の特性を理解し,かつ社会復帰も期待できる
除外基準
全身疾患悪性腫瘍や膠原病など治療困難で予後不
良な全身疾患
呼吸器疾患重度の呼吸不全,不可逆的な肺高血圧症
臓器障害不可逆的な肝腎機能障害,インスリン依
存性重症糖尿病
循環器疾患
治療困難な大動脈瘤,中等度以上で治療
できない大動脈弁閉鎖不全症,生体弁に
置換困難な大動脈機械弁,重度の末梢血
管疾患
妊娠妊娠中または妊娠を予定
その他著明な肥満
わが国における植込型LVADの適応基準517)を示す(表69).わが国における植込型LVAD術後の生命予後は,J-MACSによると1年生存率93.6%,2年
生存率89.8%であり,体外設置型LVADよりも良好である518).合併症として血栓塞栓症(脳血管障害やデバイス血栓症)やドライブライン感染症が再入院
の原因となっているが519),消化管動静脈奇形や消化管出血,晩発性右心不全,大動脈弁逆流など,拍動流ではあまり認識されていなかった連続流
LVADにより多いと思われる合併症も生じている.
表69 植込型LVAD のBTT(bridge to transplant)適応基準
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)