急性心筋梗塞患者の4~24%に発症し,治療成績はきわめて不良で,とくに初期死亡の20%に及ぶ489).多くは発症1~7日までにみられる.発症には,
徐々に血性心膜液が貯留して心タンポナーデ状態となるoozing(slowrupture)型と急激に破裂するblow-out型がある.前者の場合にはショックに陥る前に
診断が可能で,心膜ドレナージ後に手術を行う.しかし後者では,瞬時に無脈性電気活動(pulseless electrical activity; PEA)となり致命的である.破裂
後迅速に診断,PCPSを開始して全身循環を確保したうえで,ただちに外科的手術に移行する.
5.5.1 左室自由壁破裂
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
次へ
ダイジェスト版