心タンポナーデとは心膜液貯留により心嚢内圧が上昇し,拡張期の静脈還流が障害されて心室充満に支障をきたす病態である.
緊急時にはベッドサイドにて心エコーガイド下に穿刺,ドレナージを行う.緊急時の強心薬投与は無効であり,出血性心タンポナーデで循環血液量が減
少している状態であれば,ドレナージは一時的な血行動態の維持に有用である.心膜穿刺が不成功の患者や出血性心タンポナーデで再度心膜液貯留
がみられる患者では,外科的に剣状突起下から,または開胸による心膜切開術を行う.
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)