急性左心不全では肺毛細管圧が上昇し,高度の肺うっ血,あるいは肺水腫をきたす.血漿蛋白濃度が正常な場合には肺毛細管圧が24 mmHg以上に
なると,肺胞への血漿成分漏出が出現し,以後圧上昇とともに直線的に肺水腫は増悪する.しかし,血漿蛋白濃度が正常の半分まで低下すると,肺毛
細管圧11 mmHgのレベルから肺水腫が発症する483).肺水腫では直面する呼吸困難と低酸素血症,末梢組織への酸素運搬を改善することが急務とな
る.
 
5.1.1 肺水腫の病態と酸素療法
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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