ivabradineは洞結節細胞のIf チャネルを阻害することにより心拍数を低下させる薬剤である.洞調律の患者のみが対象となる.ivabradineは,推奨量あ
るいは最大投与量のβ遮断薬とACE阻害薬(あるいはARB),MRAを投与されてもLVEFが35%未満,洞調律で安静時心拍数が70拍/分以上,過去1年
以内に心不全入院の既往があるLVEFの低下した心不全(HFrEF)患者において,プラセボにくらべて死亡と心不全入院を有意に減少させた575).この試
験
から明らかになったことは,洞調律のHFrEF患者では心拍数の増加がリスクであり,それを低下させること自体が治療ターゲットになるということである
576).
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)