インフォームド・コンセントは,生命倫理の4 原則のうちの「自律尊重」を具現化するために生まれた概念であり,具体的には「患者・家族が,自分の置かれた状況
について,十分把握した上で,医療者側から示された方針に同意を与えること,あるいは医療者側から示された治療法の選択肢それぞれの長所短所を理解した上
で,治療法を選択すること(この場合はインフォームド・チョイスともいう)」である.
一般に,インフォームド・コンセントにおいて同意を与えるのは20歳以上の成人とされている.未成年者の場合,最近の我が国の指針・ガイドラインの多くは,16歳以
上で20歳未満の場合は,本人および代諾者(親権者)の同意,16歳未満の場合は,代諾者(親権者)の同意が必要であるとしている.また,16歳未満の場合も本
人に十分説明し,了解(assent)を得る努力をすべきであると記載されているものが多い.