1 遺伝学的検査の目的
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 遺伝医学における診断は,先天異常を含めた疾患の臨床的診察の他に DNA,RNA,タンパク,染色体を分析することによりなされる.遺伝学的検査はヒト生殖細胞
系列における特定の遺伝子,染色体の状態を分析することである.心臓血管疾患の遺伝学的検査には以下のようなものがあり,その目的は,疾病治療・予防または
早期発見・早期治療のための根拠を得ることである10)

(1)症状が出現している個人の確定診断
(2 )診断時,無症状の個人が将来,心臓血管疾患となる可能性(発症前診断)
(3 )遺伝子変異や染色体異常を有しているものの,現在および将来にわたって発症しない者(保因者)であるか否かを調べること(保因者診断)
(4 )特定の多因子遺伝性疾患としての心臓血管疾患について遺伝的素因が存在するかを調べること(易罹患性検査)
(5 )薬剤に対する効果,副作用の発現の推定(薬理遺伝学検査)
(6 )出生前診断
心臓血管疾患における遺伝学的検査と遺伝カウンセリングに関する
ガイドライン(2011年改訂版)

Guidelines for Genetic Test and Genetic Councelling in Cardiovascular Disease(JCS 2011)
 
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