安定したステージCの心不全例において,心不全増悪による再入院の予防を図ることも重要である.心不全再入院の独立した予測因子は,通院不
良,心不全入院歴,無職,長期入院,高血圧である235).つまり,心不全の再入院を予防するためには,心不全の特徴や服薬アドヒアランスの意義な
ど十分な患者(家族)教育,社会的支援など,体重や血圧などの在宅レベルでの患者モニタリングによる包括的なプログラム(教育など)とチーム医療
を実施し,薬物療法による効果を補完する必要がある.また,心不全患者では,感染症を契機に症状の増悪をきたすことが多いため,手洗いやマスク
などの感染症予防に加えて,インフルエンザや肺炎球菌に対するワクチンを接種することが望ましい.
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)