軽症心不全を対象としたREVERSEでは,NYHA心機能分類I度またはII度で,LVEF≦40%,QRS幅120ミリ秒以上の心不全例に対するCRTの効果
が検討され,CRTはLVEFを改善し,心不全による入院のリスクを減少させた398).MADIT-CRTでは,NYHA心機能分類I度またはII度の心不全患者で,
LVEF≦30%,QRS幅130ミリ秒以上の症例において,CRT-DがICDと比較して総死亡もしくは心不全入院のイベントを減少させた399)
とくにQRS幅が150ミリ秒以上の症例で効果が認められた.同様の報告はRAFTでも確認され400),NYHA心機能分類II度以上の心不全症状を有する,
QRS幅150ミリ秒以上の心不全例では,CRTが有用と考えられる.
2.2.4 軽症心不全例への適応
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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