6分間歩行試験(six-minute walk test)は,特殊な設備が不要な簡便法として,最大努力による6分間の歩行距離を測定する最大負荷試験である.
年齢や性別,身長,体重などの影響を受けることが知られており,海外では男女別の正常域の推定式が報告されているが176),日本人の正常域(m)
は[454-0.87×年齢(歳)-0.66×体重(kg)]±82(2標準偏差)に身長(m)を乗じたものが提唱されている177).この検査で得られた歩行距離とNYHA
心機能分類や最高酸素摂取量は良好に相関することが報告されており178),予後の予測にも有用であると報告されている179).また,同一患者におけ
る6分間歩行距離の改善度が治療効果や予後良好の指標となることも報告されている180).一方で,患者の年齢や体格の影響を受けるという性質上,
異なる患者間での比較をする場合には注意が必要である.
8.3 6分間歩行試験
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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