冠動脈造影を含む左心カテーテル法は心不全や虚血性心疾患の患者に適応がある.また,狭心症はなくても左室機能障害のある患者にも有用で
ある160).左室造影の適応は,左心カテーテル法あるいは冠動脈造影が必要と考えられる患者において,術者あるいは主治医の裁量にゆだねら
れる162).薬物抵抗性の心不全あるいは狭心症を合併した患者や,症候性心室不整脈あるいは心停止を合併した心不全患者では,冠動脈造影によ
る原因の特定が推奨される(推奨クラス I, エビデンスレベルC)14, 163- 169).また,心筋虚血が心不全の要因である可能性があり,血行再建により心
不全治療効果が期待される場合には冠動脈造影が推奨される(推奨クラス IIa, エビデンスレベルC)160, 162, 167- 169)

 一方,左室機能障害の原因として心筋虚血が考えにくい心不全患者に対するルーチン検査としての冠動脈造影は推奨されない160, 167- 169)
7.2左心カテーテル法
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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