心臓MRIは,正確さと再現性の点から,左右心室の形態と駆出率,左室心筋重量の測定においてもっとも信頼度の高い検査であると認識されてい
る126).患者側の条件に依存することなく画像を得ることができ,任意の断面による形態評価が可能である.形態評価やシネイメージによる心室壁運動
評価に基づいて心不全の原因疾患の診断が可能となる場合がある127, 128).心エコー法では評価が難しい右室や複雑先天性心疾患の評価におい
て,MRIの有用性は高い129).検査に要する時間・費用と画像解析における専門性を考慮し,心エコー法による心形態・心機能評価が困難な場合に,
その代替として用いる.
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)