心不全に合併する貧血の成因の1つに,内因性エリスロポエチン産生低下がある.そこで,これまで心不全患者に対するESAの効果を検討した試
験が試みられている.少数例の検討では,ESAによるNYHA心機能分類や運動耐容能の改善が示されていたが,大規模ランダム化二重盲検試験
RED-HF 658)では,ESAのダルベポエチン アルファによる慢性HFrEF患者の全死亡・心不全悪化入院率改善効果は示されていない.さらに,本試験
ではESA群で合併症として血栓塞栓症の発症が観察されており,他疾患でESAの適応がない心不全患者に対するESA投与は推奨されない.
11.2.3 ESA
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急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)