高血圧は,年齢や左室機能障害の有無を問わず心不全の重要な危険因子である218, 564).高血圧に対する適切な治療は,心不全の発症リスクを減
少する193- 195).さらに,心不全患者において,収縮期血圧,拡張期血圧ならびに脈圧が高値の症例では,生命予後の悪化が示されていることからも,
適切な血圧管理が重要である565).しかし,心不全患者ではしばしば高血圧を示さず,むしろ低血圧の症例を認めるが,そのような症例において,
降圧薬は必ずしも降圧が目的ではなく,心不全患者のQOLを改善させ,心不全そのものの予後を改善させることに主眼が置かれることから,忍容性の
許すかぎり心不全治療薬としての降圧薬の投与が推奨される.
6.1病態
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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