Nohria-Stevenson分類と治療指針
急性心不全
急性冠症候群・右心不全の除外病態収縮期血圧うっ血の有無wet または dryうっ血なし
血圧・末梢循環維持経口心不全薬の調整warmcold90
100140収縮期血圧(mmHg) クリニカルシナリオ1(肺水腫)血管拡張薬±利尿薬クリニカルシナリオと治療指針
利尿薬+血管拡張薬クリニカルシナリオ2(体液貯留)クリニカルシナリオ3(低心拍出)dry wet
心原性ショック薬物治療+補助循環低灌流の有無cold または warm・ 体液貯留がない場合は容量負荷・ 強心薬で改善がない場合は血行動態評価
・ 低血圧・低灌流が持続する場合は血管収縮薬うっ血あり血圧上昇型血管拡張薬±利尿薬
うっ血あり,末梢循環不全血管拡張薬±強心薬
うっ血あり,血圧低下・末梢循環不全強心薬(血管収縮薬も)血圧維持後に利尿薬反応のない時は補助循環
うっ血あり血圧維持型利尿薬+血管拡張薬
利尿薬抵抗性は限外濾過
体液量減少(脱水)
血圧低下・末梢循環不全
輸液
循環不全が遷延すれば
強心薬
四肢冷感
冷汗
乏尿
肺うっ血
起座呼吸・発作性夜間呼吸困難
末梢浮腫
頚静脈怒張
肝腫大,腹水,食思不振
意識低下
脈拍微弱
ICU/CCUに収容後,初期対応で開始した治療については,心不全症状および体重変化を含むうっ血評価による病態の変化を再評価し,必要に応じて
修正を行うことが重要である.初期対応での評価の補足と病態変化の把握を行う.心不全症状,体重,体液バランス,腎機能や電解質の変化を評価す
る.血行動態が不安定な場合の動脈圧モニターを考慮する.病態把握がNohria-Stevenson分類によって評価が不十分であると判断した場合は,
スワン・ガンツカテーテルによる評価法も含む適切な血行動態評価を行うべきである.ただし,ルーチンで導入することは推奨されていない.このような
適切なモニタリングを行い治療経過において,心不全悪化をきたさぬようにすることが重要である.入院中を含めて心不全悪化は時期を問わず予後を悪
化させる要因となるからである708).この際,腎機能,電解質の測定を適宜行うことも重要である.
3.2急性期治療の基本方針(
表55,
図12
26, 707))
図12 急性心不全の初期対応から急性期病態に応じた治療の基本方針
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)