心不全患者の再入院の主な要因として,1)うっ血(体液貯留)の増悪,2)非心臓性併存疾患,3)アドヒアランス不良532),が指摘されており,さらに高齢
心不全患者の長期予後の規定因子としてサルコペニア・フレイル14)があげられている.したがって,再入院リスクの高い高齢・多臓器併存疾患保有心不
全患者では,退院後に外来や在宅で,「QOL向上・運動耐容能向上」と「再入院防止・要介護化防止」を目指して,併存疾患を含めた全身的な疾病管理
(disease management)とサルコペニア・フレイルを予防する運動介入が必要である533).
これまでに心不全に対する多職種介入プログラム・疾病管理プログラムの有効性が多数報告され534),システマティック・レビュー535)において多職種介
入が心不全患者の再入院と総死亡率を有意に減少させることが示されているが,未解決の課題も多い536-539).包括的外来心臓リハビリテーション
(以下,外来心リハ)プログラムでは,再発予防のための生活指導や心不全病態のモニタリングも行われるので,心不全疾患管理プログラムとしての役割
を期待でき,その有用性も示されている540, 541).
2.1 疾病管理プログラムとしての外来心臓リハビリテーションの意義
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)