3 遺伝学的検査の適用
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 心臓血管疾患の遺伝学的検査は,症状が出現している個人における確定診断のために行うことが多い.その検査がもつ分析的妥当性,臨床的妥当性,臨床的有
用性が十分なレベルにあることが確認されていなければならない.

 同一家系内に特定の心臓血管疾患の罹患者が存在し,遺伝学的検査によって診断が可能な場合には,家系内の無症状の個人が将来当該疾患を発症する可能性
を診断する遺伝学的検査(発症前診断)についても,今後,広く行われる可能性がある.また,遺伝子変異や染色体異常を有しているものの,現在および将来にわたっ
て発症しない者(保因者)であるか否かを調べる遺伝学的検査(保因者診断),特定の多因子遺伝性疾患としての心臓血管疾患について遺伝的素因が存在するかを
調べる遺伝学的検査(易罹患性検査),薬剤に対する効果または副作用の発現の推定(薬理遺伝学検査)も,臨床的有用性が確立すれば行われる可能性がある.
心臓血管疾患における遺伝学的検査と遺伝カウンセリングに関する
ガイドライン(2011年改訂版)

Guidelines for Genetic Test and Genetic Councelling in Cardiovascular Disease(JCS 2011)
 
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