I-123-β-methyl-p-iodophenyl-pentadecanoic acid(BMIPP)は心筋脂肪酸代謝について評価することが可能であり,梗塞あるいは虚血心筋,非虚
血性心筋症における心筋障害の検出に用いることができる.血流と脂肪酸代謝の乖離と脂肪酸代謝異常の拡がりは種々の心筋症において予後と関
連することが報告されているが,疾患特異性には限界がある137)

 I-123-メタヨードベンジルグアジニジン(MIBG)により心臓交感神経活性の評価が可能である.心不全患者では,基礎心疾患によらず,左室機能の
低下,交感神経活性の亢進に一致してMIBGのwashout rate( WR) が上昇,後期像心筋/縦隔比( H/M) が低下するため,重症度の評価に用いる
ことができる140- 144).さらに,拡張型心筋症・肥大型心筋症による心不全の予後予測54, 145, 146),拡張型心筋症におけるβ遮断薬に対する忍容性や効
果の予測と薬物治療の効果判定の指標としての有用性が報告されている147- 149)
6.3.2 I-123 BMIPPとI-123 MIBG
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)
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