急性心不全または重症心不全で血行動態が不安定な場合や肺うっ血や発熱などのために安静時にも呼吸困難などの症状がある場合には,運動療法
は推奨されない.しかし近年,人工呼吸器・IABP・CHDF管理や心血管作動薬の持続静注管理中の重症心不全患者であっても,血行動態が安定し安静
時の症状がなければ,低強度の理学療法・運動療法による早期心臓リハビリテーションを安全に実施できることが報告されている782).心電図やバイタル
サインの監視下において,ベッド上またはベッドサイドで,たとえばゴムチューブやボールを用いてリズミカルな低強度レジスタンストレーニングを行う.
自力座位が可能になれば,座位時間を徐々に延長し,立位訓練を行う.ベッドサイドに降りられるようになったら,ベッドサイドでのつま先立ち運動などを
行う.
5.6.2 ICU における重症心不全患者に対する早期心臓リハビリテーション
(表65)
表65 急性心不全のリハビリテーションの推奨とエビデンスレベル
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)