治療に関しては,血管拡張薬の使用頻度が非常に多いことが特徴である.その内訳では,カルペリチドが58.2%と多く,ニトログリセリン,硝酸イソソル
ビド,ニコランジルの順に20.8%,14.5%,9.6%であった.強心薬の使用頻度は各国と比較して低く,ドブタミン,ドパミンがそれぞれ11.3%,8.8%,
ミルリノンが3.3%,ノルエピネフリンが4.7%,ジゴキシンが6.9%であった.さらに,非侵襲的陽圧換気(NPPV)の使用頻度は24.4%と低く,また持続的
陽圧呼吸(CPAP)と2相性陽圧換気(bi-level positive airway pressure; bi-level PAP)の使用頻度は同程度であり,今後その使用頻度,使用方法につ
いて再考が必要である.在院日数が欧米・韓国に比して長いことも特徴である.院内死亡率は6.4%であり,欧米・韓国と同様である.
1.3.3 入院初期治療
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急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure
(JCS 2017/JHFS 2017)